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2.3.2 K-hallのメンテナンスシナリオ

K-hallにも40トンクレーンが設置される。SYとは異なり、1基で40トンのつり上げ能力を有する。これに20トンの補巻きを有するが、総吊り上げ荷重は40トンである。K-hallにおいては、電磁石並びに標的装置、モニターなどは、実験室遮蔽体内部のキャナルとよばれる部分に設置される。アラインに関しては、あて板方式(側壁のある部分)とポール方式(側壁の無い部分)を併用する。磁石上面には鉄2 mとコンクリート50 cmの上部遮蔽体が設置される。この上部遮蔽体の上部にサービススペースが準備される。水、電力、信号はここで母線と結合される。その結合にはSYと同様のクイックコネクターを用いる。それゆえに電磁石のマニホルドはこのサービススペースに設置され、数mの延長タワーを介して磁石と結合している。このサービススペース以外の部分で、磁石の冷却水の接合は行わない。水漏れを発生させないためである。真空フランジに関しても、このサービススペースから操作される。サービススペースにどうやって水、電気を送り込むかは、工夫を要する。水は上流側からサービススペース沿いに下流に向かって配管される。途中の標的部並びに二次ビーム取り出し部では、打ち込みコンクリート内部を迂回する。電力はMICあるいは十分に絶縁された水冷バスダクトを用いた貫入機構により、打ち込み遮蔽体を貫通してサービススペース内に達する。この貫通遮蔽体はあらかじめ電磁石の数に見合うだけの量を準備しておき、建設時にシールド中に埋め込む。サービススペース内部での配線には、おそらく通常のケーブルを用いる事が出来であろう。しかし放射能ではなく、オーミック発熱が深刻な問題となる可能性があり、その場合はMICによる水冷バスダクトを採用する。

以上の考え方を表したのが図2.8である。

図 2.8: K-hallメンテナンスシナリオ概念図
khmaintainance.jpg


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Yoshinori Sato
平成14年9月11日