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5.3.1 冷却水中トリチウム濃度の評価

  1. 高エネ研の現状
    2000年10月2日から10月23日までのEP1運転でP13系のトリチウム濃度は、2.87 Bq/cc上昇。ビーム強度 $1\times 10^{12}$pps、ラインロスを1%/100 mとしてこの時のビームロスは、

    \begin{eqnarray*}
1.92 \times (0.04+0.5+0.25+0.01\times 2) &=& 1.56~kW
\end{eqnarray*}

  2. K-SYのビーム強度は750 kW、ラインロスは、0.03%/100 mであるからロスは、

    \begin{eqnarray*}
 750\times (0.0003\times 1.5 +0.02+0.005+0.02) &=& 34.1~kW
\end{eqnarray*}

  3. P-13系の保有量は26t、SYの冷却水量は23.4tであるから、1及び2より21日運転でのトリチウム濃度の上昇は、

    \begin{eqnarray*}
2.87\times (34.1/1.56)\times (26/23.4) &=& 62.7~Bq/cc
\end{eqnarray*}

    ただし一期計画では、点状損失がなく線状損失のみであるため、トリチウム濃度の上昇は、約1/100の21日運転で0.6 Bq/ccである。
  4. K-hall内でのビーム損失は、

    \begin{eqnarray*}
750\times (0.0006 \times 1 + 0.3 + 0.21) &=& 383~kW
\end{eqnarray*}

    となるが、ここでターゲット周辺には遮蔽体をおくため高速中性子の90%が吸収され、トリチウム生成に寄与する高速中性子を10%とすると

    \begin{eqnarray*}
750\times (0.0006\times 1 + 0.3\times 0.1 + 0.21\times 0.1) &=& 38.7~kW
\end{eqnarray*}

  5. P-13系の保有量は26t、SYの冷却水量は20tであるから、1.及び4.よりK-hallビームラインの21日運転でのトリチウム濃度の上昇は、

    \begin{eqnarray*}
2.87\times (38.7/1.56)\times (26/20) &=& 92.6~Bq/cc
\end{eqnarray*}

    ただし一期計画では、ターゲットが一つなので21日間での上昇は、54.4 Bq/ccとなる。

上記の評価をまとめると21日間運転を仮定した場合には表5.6の通りとなる。

表 5.6: トリチウム生成量見積りまとめ
  第一期 第二期
SY 0.6 Bq/cc 63 Bq/cc
K-hall 54 Bq/cc 93 Bq/cc
平均濃度 25 Bq/cc 77 Bq/cc

また年間の総放出トリチウム量は、21日間運転が10サイクルとして

となる。


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Yoshinori Sato
平成14年9月11日