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B.3.1 Sanford-Wangの式の標的核依存性

原子核素粒子実験施での二次粒子生成標的について、標的厚が一次陽子ビームの30%を失う厚さであるとしたときに、標的核種と二次粒子の生成量の関係を求め、標的各種の選択の参考とする。このとき、標的内での二次粒子の吸収を考慮する。 B.1節の式から明らかなように、Sanford-Wangの式で生成量を計算するときに標的核に依存するのは $\sigma^{A}_{abs,p}$のみである。 $\sigma^{A}_{abs,p}$の標的核依存性は、 $\sigma^{A}_{abs,p}=A^{\alpha}\sigma^{A=1}_{abs,p}$と表すことができる。文献[5]にはいくつかの二次粒子についての標的核依存性パラメータ$\alpha$が与えられているが、 $\pi^{\pm}$、K$^{\pm}$については0.52から0.82の間であり、ナイーブに$\alpha=2/3$、すなわち

\begin{eqnarray*}
\sigma^{A}_{abs,p} &=& A^{2/3}\sigma^{A=1}_{abs,p}
\end{eqnarray*}

と書いてもよいと思われる。これを用いると、Sanford-Wangの式で考える限り、二次粒子の生成断面積のA依存性は、

\begin{eqnarray*}
\left. \frac{d^{2}\sigma}{d\Omega dp}\right\vert _{A} &=& A^{2/3}\left. \frac{d^{2}\sigma}{d\Omega dp}\right\vert _{A=1}
\end{eqnarray*}

となる。


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Yoshinori Sato
平成14年9月11日