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7.3.2 アライメント方式のテスト

モックアップ用電磁石は耐放射線性を考えて製作されている。従来KEKでは作業者がビームライン上で直接修復作業を行っていたが、統合計画の実験施設であるK-hallでは一度ビームが走るとビームライン上での作業は数秒しかできなくなり、被爆をさけて遠隔から作業しなければならない。そのため電磁石はできるだけ故障しない観点から設計され、そのメンテナンスも遠隔から短時間で簡単な作業で済むように検討している。しかし、もし万一電磁石が故障するならば、ビームライン上での修復作業は困難となり、ホットラボにて修理するか、新しい電磁石を交換しなければいけない事態となる。そのため遠隔から電磁石を設置、そしてアライメントできる方法を確立しなければならない。

そこで本グループでは電磁石をアライメントする方法が2つ提案され、1つは当て板方式、もう1つはポール方式である。前者(図7.14)は電磁石側方の壁に等辺山形鋼を鉛直方向に平行に3本取り付け、それらに磁石を当て、ガイドする方式であり、後者(図7.15)は磁石側面にあるポールの先端を受け皿に挿すことにより、その後磁石はポールにガイドされる方式である。両者の方式とも最終的には電磁石下部でピボット勘合によりビームライン上にアライメントされる仕様である。KEKで通常ビームライン上に磁石をアライメントする時に用いているピボットを図7.16に示す。磁石側のピボットが入る穴の径は$\phi 50~mm$であり、ピボットの先端が$\phi 35~mm$であるため、許容できるピボットと磁石の水平方向のずれは$\pm 7.5~mm$の範囲である。 ここで用いた電磁石はモックアップ用に製作された8D216MIC型を用いた。外形は $1060\times 850\times 800~mm^{3}$、定格3000 A,33.1 Vであり、磁石上部には放射線遮蔽用にアルミニウムを設置し、それらを加えた重量は約10 tonである。

図 7.14: 当て板方式アライメント
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図 7.15: ポール方式アライメント
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図 7.16: ポール位置決めピボット
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Yoshinori Sato
平成14年9月11日