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6.5.2 空調負荷について

空調負荷については

と想定している。結果は表6.5に示されている。この空調負荷の積算根拠は次のとおりである。基本的には、電力配線からのオーム発熱である。DC用導線の抵抗値は である。電源と電磁石が200 m離れているとする。電磁石は2500A-150V程度と仮定すると、電力線からの発熱は250平方ミリを使った場合、

\begin{eqnarray*}
(0.076\times 0.2\times 500\times 500)\times 5 \times 2 = 38~kW
\end{eqnarray*}

電磁石はほぼ380 kWである。325平方ミリを使った場合は31 kWで8%程度である。そこでスイッチヤードでは基本的に325平方ミリをもちいることとし、あとは冷却水配管のリターンからの熱放射などを考慮して10%の空調負荷とする。

ところで、SYにおけるケーブル発熱であるが、負荷(電磁石の)抵抗が同じで電流を増やす場合、適正にケーブルが増設されていった場合には、発熱量は電流に比例する。つまり、一次ビーム運動量に比例する。また一次ビーム運動量が同じ場合には、電磁石の負荷に比例する。例えば同じ電磁石を30 GeV運転対応から50 GeV運転対応に切り替える場合、DCケーブルが一本あたり平均で400Aと言うような値を保持しつつ増設される場合、総ケーブル発熱は51/31=1.65倍になるのみである。しかし負荷を駆動するための総電力は(51/31)の二乗、つまり2.7倍となる。逆に言えば、総電力増大のルートでしか増えない。ケーブル本数も同様に総電力のルートに比例する。しかしビームエネルギーが同じで負荷が増大する(ビームラインの増設による磁石数の増加などの)場合にはケーブル発熱並びにケーブル本数は総電力に比例する。この場合にも、DCケーブルが一本あたり平均で400Aという値を保持しつつ増設されねばならない。




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Yoshinori Sato
平成14年9月11日