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6.1.1 既存の遮蔽体

既存の遮蔽体を有効に活用し、それにより建設コストの低減が図られるならば積極的に利用することが求められる。ただし全ての場合において既存遮蔽体を使うことが必ずしもベストとはならず、既存の遮蔽体を輸送し設置するよりも新規製造が有利な場合もある。また、新規製造が必須の部分もある。K-hallの遮蔽体は遮蔽性、密閉性、耐震性、開放時の移動場所と開放に要する時間、建設時の時間、床荷重制限、放射化物の取り扱い等を考慮し打ち込みコンクリート、コンクリートブロックを適切に組み合わせ安価に構築することが求められる。そのため既存の遮蔽体利用は、KEKから鉄、コンクリートブロックの輸送、原研東海でのデコミッショニングによる再生コンクリートブロック、海外から安価な放射化鉄の輸送が考えられている。現時点で必要とされる鉄の見積量は約11800 ton、KEKの既存鉄ブロック概算量は約4800 tonであり、この差を埋める必要がある。KEKでの鉄の概算量を現在の使用区域ごと、放射化の有無ごとにまとめたものを表6.1に示す。

表 6.1: 既存の鉄の概算量
existingiron.jpg


原研東海でのデコミッショニングによる再生コンクリートブロックはコストも安価で相当量が利用可能とのことだが、それをK-hallで使用できる保証はない。天井部で使用するような大型のコンクリートブロックは困難であっても小型の規格化された形状のブロックをより多く使用できることが望まれる。 海外から安価な放射化鉄は $[L]~1.3~m \times [W]~1.3~m \times [H]~1~m$鋳鉄で突起部分はなく、チェーンにより吊り下げ可能な形状となっている。この鉄の使用については、鉄自体のコストは比較にならないほど安価であるが、放射化にともなう輸送や保管、加工の困難さ、設置時の放射線管理区域化の問題がある。これらによるコストアップを抑え、タイミングよく、かつ適所に使用できれば大量に使用することで遮蔽性能を確保、またはより向上させつつ遮蔽体全体のコストを抑えることが可能になる。


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Yoshinori Sato
平成14年9月9日