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3.3.1 その経緯と仕様

統合計画のK-hall建設において、EP1で使用してきた自動着脱フランジやピローシールの実績を踏まえて新しい真空フランジを開発中である。 はじめにこれら現有の装置におけるメリットとデメリットを整理する。

自動着脱装置(図3.3)は、図のようにV型カップリングが上下それぞれ3つ、計6つに分割され左右の機構によって締結を行なう。フランジは、前後同形であり、平行に対向する面で金属シール材を圧縮することで気密性を達成している。フランジサイズ及び形状の規格はそれ以前から継承している形状サイズを金属シール用に再検討、整理して利用している。この装置によるHeリークレートは $10^{-8}~torr\cdot {\it l}/sec$以下である。フランジ着脱のための移動ストロークは80 mmと比較的コンパクトであるが、EP1においては鉛直上方から装置を上げ下ろしするため、Vカップリングの開放と前後の退避動作を連続して行なう。また、基本的に対向フランジに依る圧縮を、Vカップリングを通して、フランジ周方向の圧縮で行なう。そのため、圧縮動作力の数倍の引っ張り動作力を必要とする。そのため、装置全体が大掛かりなものとなる。

図 3.3: 自動着脱装置(図はフランジが開いているところ)
autoconnect.jpg

同時に製作したのが、前節で紹介したピローシールフランジである。ピローシールフランジも基本的に枕状の平行対向面でシールを行なうため、装置の着脱に際して、シール面に傷がつかないようにしなければならない。また、周方向の圧縮力をある程度均一に加圧しなければならず、装置が大掛かりなものとなる。そして、何よりも再使用される金属表面で真空をシールしようとするため、到達真空度そのものが$10^{-3}~torr$程度に留まってしまう。しかし、真空フランジの形状が対称であるために真空ダクトにおける上流-下流の区別を行なう必要がない。


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Yoshinori Sato
平成14年9月11日