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12GeV-PSに新実験室(名称:北カウンターホール)を建設するにあたり、放射線環境レベルの高い場所の真空ビームパイプの接続にピローシールを導入した(1990年に建屋竣工)。1991年1月には12GeV陽子ビームの取り出しを開始し、現在では、一次ビームラインを延長してニュートリノ振動実験(K2K)のためのビームラインとしても利用されている。
この北カウンターホールは、 pps (protons per second)の一次ビームを取り扱うことの出来る特徴を持っている。そのため、このビームラインに設置される機器は、放射線による劣化、破壊、そしてそれらの機器の保守に伴う作業者の被曝を低減する目的で、次のような設計の指針を立てて設計された。
- 保守作業等が基本的に不要であること。つまり、絶対に壊れない、放射線により劣化する材料を使用しない。
- 保守、交換作業が必要な場合、遠隔操作により短時間で行えること。
ピローシールフランジはこの強い放射線環境下でビーム輸送用真空ダクトを遠隔操作で確実かつ短時間に締結することが出来る真空フランジ装置として、スイスのPSI(Paul Scherrer Institut)の同型真空シールを手本に導入した。
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Yoshinori Sato
平成14年9月11日