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7.1.4.1 MIバスダクト

現在電力ケーブルは、500 A、直径25 mmの被覆ケーブルを使っているので、3000 Aの磁石であれば行き帰りで合計12本のケーブルが必要である。このような磁石が何台もあるとケーブルラックの場所を広くとることになり、結果としてトンネル幅を制限してしまう。また、トンネル内空気の温度上昇はこの電力ケーブルが主な熱源となっている。このため磁石が多くなればなるほど高い空調能力が必要となり、コストのかかる大がかりな空調施設を作ることになってしまう。さらに、ターゲットに近いところでは電力ケーブルの被覆が放射線で劣化するため、できるだけ遠くに離す必要がある。このため電力ケーブルはシールドの中を通さなければならないが、長い距離シールドの中を通すとコンクリートの温度が上昇し、コンクリートの強度が劣化するおそれがある。これらの問題の対策としては、電力ケーブルをすでに電磁石で確立済みの3000 A級水冷MICで代用するということが考えられる。すなわち、MICを使った水冷バスダクトの開発である。

以上のことをモックアップで実際試してみて、どちらが有効かを検討する。少なくとも放射線が強いターゲット付近でコンクリートシールドの中を通すケーブルは、水冷MICか、もしくは極太空冷バスバーが想定されるので、いずれにせよ技術として確立しなくてはならない。MIバスダクトは現在工事中である。


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Yoshinori Sato
平成14年9月11日