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6.6.2 ビームライン制御コンソールの考え方

前節で述べられた考え方に従い、ビームラインコントロールの概念図を図6.9に示す。ここではローカルコントロールで中心となるサーバを立て、そこに各種機器からの情報を集約するという方式をとると仮定する。

このサーバが持つべき機能としては以下のものが考えられる。

  1. 各種機器の状態管理
  2. 各種機器の状態表示
  3. 各種機器の操作
  4. 各種機器の設定値の記録
  5. 中央制御との通信

ビームライン運転者はコンソールで各種機器の状態をモニタしつつ、ビームを標的、ダンプまで導くように操作する。データベースを管理するサーバと制御用のマシンは必ずしも同じである必要はなく、通信プロトコルが明確に定義されていればよい。特に立ち上げ段階では各種機器の担当者がそれぞれ平行に機器のテストを進めていくであろうから、ローカルコントロールとそのサブコントロールは切り離して動かせるようにしておくことが必須であると思われる。

これらをどのように実装するかは今のところ明確ではない。現在加速器コントロールグループではEPICS(Experimental Physics and Industrial Control System)を使って各種機器を制御することを検討しているので、可能であれば様々なツールをこちらのシステムにも流用し、開発の重複はなるべく避けたいところである。ただし、EPICSを導入するとなると高価なVMEバスやオンボードコンピュータとリアルタイムOSが必要なので、これらの導入については加速器コントロールグループと密接に連携していくことが重要であろう。

このような方針でビームライン制御を構築していくためには、これから製作する各種機器のコントロール部分の仕様を共通化することを念頭においておくべきである。例えば通信にはEthernet上でTCP/IPを使うこととし、各種機器から出てくるデータのフォーマットを揃えておく、といったことである。

今後加速器コントロールグループの作成する仕様が固まってきたら、我々の側でもそれを試験的に導入し、現在のシステムを使ってテストしていくことも必要であろう。

図 6.9: 遅い取り出しビームラインコントロール概念図
localcontrol.jpg


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Yoshinori Sato
平成14年9月11日