直接照射実験の解析では、MARSによるエネルギー損失ではなく、陽子の空気でのMinimum Ionizing Energy lossを使ってNO生成量を評価した。表5.10に解析結果を示す。ここで陽子の空気中のエネルギー損失は と仮定している。この表には測定終了後に試料の内部を拭取って分析された結果も反映されている。
結果をみると今度は間接測定の場合と違い、測定値のほうが計算値の約3倍程度大きくなっている。ビーム照射量が増えるにつれて硝酸量も増加しているが、必ずしも比例しているわけではないようである。計算値が過小評価している理由については例えば容器の壁や2次粒子の影響等、直接照射特有の現象に由来していることが考えられるが、現在のところ検討中である。